『 スポーツの秋 』

朝夕の冷え込みも厳しくなり、子どもたちにも長袖長ズボン姿が目立ってきました。いかがお過ごしですか。

さて秋と言えば、スポーツの季節でもあります。小学生の頃、柔道と剣道をやっていました。これだけを聞けば、何やら筋の一本通った、武道少年のように思われるかもしれませんが、実は全く違います。本当はただ単に、親が落ち着きのない私(自分では全然そうは思っていません)に、礼儀作法を身に着けさせようと習わせただけなのです。最初に柔道を始めましたが、結果は見事に期待を裏切ったようで、結局1年で止めました。すると今度は父が剣道を勧めてきました。剣道は先生や仲間にも恵まれ、小・中・高と続きました。しかし実は、中学生の頃からアメリカンフットボールに興味がありました。当時(1960年代後半)アメフトなど、今以上のマイナースポーツでした。どこにチームがあるかなんて皆目見当もつかず、ただ「やってみたいなぁ」だけで終わっていました。長じて成人後、ようやく社会人のクラブチームでプレーしました。だから今でも、アメフトが一番好きなスポーツです。

ところで日本で人気スポーツと言えば、野球とサッカーでしょう。どちらも欧米から入ってきました。が、物事を究める文化のある日本では、どうしても野球道やサッカー道になりがちです。そうなると楽しむなんて二の次で、ひたすら真面目に取り組むことになります。しかし欧米では、スポーツはあくまでも人生の一つの楽しみです。国際大会とかになれば、また違うのかもしれませんが、基本楽しくなければスポーツではありません。さらに道文化の日本では、一つのスポーツをやり通す風潮があります。欧米のようなシーズン制(時期によって親しむスポーツを替える)は、とても考えられません。シーズン制があるのでアメリカでは、野球(MLB)とアメフト(NFL)の両方を、兼任するプロ選手が出ています。これは極端な例だとしても、スポーツ人口の減る日本だからこそ、少しでも様々なスポーツの楽しさを経験できるシーズン制が、一般化してほしいと思います。

こんな日本のスポーツ文化が、いまだにコーチや監督が選手に、体罰や暴言をふるう事件の温床にもなるのだと思います。先日驚いたことがありました。現在次男家族が仕事でアメリカにいます。小学生の孫は地元のクラブで、アメフト(アメリカで最も人気のあるスポーツ)をやっています。ある日、クラブから手紙が送られてきました。それは、現在のコーチは人格的にも能力的にも、来年度もチームを任せられますか、というアンケートでした。ちょっと驚きますね、日本ではとても考えられません。シーズン毎に選手や保護者が、コーチの適性を決めるのですから。コーチと言っても、プロではないボランティアなのです。

さらに孫の試合中、相手チームのコーチが、ふがいない自軍の選手を大きな声でどなっていたそうです。するとパトカーが飛んできて、そのコーチを連れていったというのです。息子からこの話を聞いた時「おっー アメリカっ!」と思いました。こんなお国柄については、いろいろな感想があると思います。しかしながら、日本にもコーチの選任制度があれば体罰や暴言は減り、もう少しスポーツ本来の楽しさを、選手は感じられるようになるのではないでしょうか。

最後にもう一つ、アメリカでもうちの子を使えという話は、よくあるそうです。どうやら親バカは万国共通のようです。みなさんは、スポーツを楽しんできましたか。

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