『 一つの区切り 』

いつも『ぼちぼちいこか』を読んでいただき、ありがとうございます。実はこの3月をもちまして、約40年勤めたアソカを退職し、4月から阿倍野の育徳園という保育園の園長を務めることになりました。春は別れと出会いの季節と言います。アソカの園長だった26年間、一抹のさみしさと共にずっと園児や職員を送る立場でした。それがいざ送られる事になると、それはそれで複雑な思いが脳裏を駆け巡ります。何と言っても社会人のほぼ全ての時間を、アソカで過ごしてきたのですから。しかし今回の一つの区切りを得、今まで支えていただいた多くの人とのご縁を大切にしながら、新たな一歩を踏み出したいと思います。新しい出会いを楽しみにしています。なおこのブログは、これからも続けていきますので時々読んで下さい。

さて連日ロシアのウクライナ侵略が報道されています。ロシアにはロシアの言い分があるのですが、到底納得できるものではありません。こんなひどい蛮行は、直ちに止めてほしいと願うばかりです。しかしどんな場合においても、それぞれの立場から見れば、常に相手が悪く自分は正義となります。それはロシアに限った話ではありません。アメリカも日本も世界の全ての国・民族・宗教などは、そんな理屈をもって同じ事を繰り返してきました。一体いつになれば、悲劇をくい止められるのでしょうか。

現在地球には70億の人間が住んでいます。私が小学校の頃(今からは半世紀以上前)、地球人口は30億と教わりました。極寒の地から猛暑の地に至るまで、地球のありとあらゆる所に人類は住んでいます。しかし日本に住む私たちにとり、そんな遠方の人とは何の関係もないように見えます。ところが実はそうではないのです。そんな海外の人たちと私たちの間には、ある繋がりがあるのです。文化、仕事、商売等の関係ではなく、もっと根本的な生物としての繋がりなのです。それは一生会う事のないであろう70億の人と私たちは、皆同じ共通の遺伝子を持つという事です。これは遥か昔にさかのぼれば、同じ一人の祖先にたどり着くという事です。間違わないでほしいのは、この祖先から70億人が生まれたというのではありません。あくまでもこの祖先の遺伝子の一部を、共有しているという事です。

私たちはしばしばご縁と言う言葉を使います。人の出会いや離別、人生の分かれ道に立った時に、ご縁が有るとか、無いとか言います。つまり人や事物、事象などの関わり合いや接点というような意味です。そんな事を考えると、先ほどの遺伝子の共有を考えれば、70億の全人類に、ご縁が有るという事ではないでしょうか。もし国・民族・宗教などの枠を超え、このご縁に価値を見出すことが出来れば、もう少し悲劇は減らせるかもしれません。夢物語でしょうが、そんな世界が実現すれば良いなと思います。

今まで本当にありがとうございました。そしてこれからも宜しくお願いいたします。

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