今年は、ワールドベースボールクラシック(WBC)で、日本が優勝したこともあり、全国的に野球がちょっとしたブームとなっています。特に大谷選手の大活躍は、あまり野球に興味のなかった人たちにも、その面白さを伝えたようです。このためか例年以上に、米メジャーリーグ(MLB)での日本人選手の戦いぶりが、報道されているように感じます。
皆さん、野球は好きですか。私が子どもの頃「巨人・大鵬・卵焼き」という言葉がありました。高度経済成長時代の子どもが、熱狂したものベスト3です。巨人はプロ野球の巨人、王、長嶋が大スターでした。大鵬は大相撲の大横綱で、無敵を誇りその上男前でした。卵焼き(当時卵は高価で、現代に換算すると1パック2000円位)は、大人気のごちそうでした。今や王・長嶋・大鵬などの現役時を知っているのは、50代以上の人でしょう。
今では全く想像できないでしょうが、テレビが地上波しかなかった昭和30・40年代は、プロ野球が目玉番組でした。その為、同時刻に複数チャンネルで野球中継をしていました。
昭和の時代、男の子の代表的な遊びとしてまず挙げられるのが野球です。学校、公園、空き地でよくやりました。中学の頃には部活の朝練のごとく、朝早くゾロゾロと学校に集まり野球をしていました。本物のバットやグローブは使いません。当時ていきゅう(低球?庭球?)と呼ばれた、安いゴム製のボールと木の棒を使い、素手でやっていました。
園で働くようになってからは、園児たちとよくやります。最近では、親子でキャッチボールをしたり、野球観戦をすることが減っているので、ルールを知らない子も多いです。その上、みんなで転がったボールを取り合うので、なかなか野球が続きません。基本的に大人がピッチャーをしますが、ボールがなかなか返ってこないのです。ようやく投げてくれても、とんでもない方へ飛んで行ったりします。そんなこんなの野球ですが、それでも一度かっ飛ばす快感を覚えると、もっとやりたくなります。たった一本のヒットが、子どもの生きる自信にもつながるのです。
ところで子どもと野球をする上で大切なのが、子どもの振るバットに何とかしてボールを当てる事です。みんな個性的なバッティングをするので、普通にストライクを投げていてもだめです。もちろん打ち方は教えますが、我が道を行く子も多いのです。ビギナーズラックでちょっと打てても、直に限界が来ます。しかしホームランを打つなら、上手な子の真似をする、あるいは大人の言うことをすれば良い事に気付くことがあります。上手な子は理にかなった打ち方をするので、大きな当たりも打てます。こうしてバッティングは上達し、ホームランも打てるようになります。気づきは学びであり、野球を通して学ぶ大切さを理解するようになるのです。もちろん途中で、飽きたりあきらめたりする子もいます。やはりそれなりの地道な努力も必要となります。そんな過程を経て、初めて生きる自信が生まれてくるように思います。
中には教えられなくても、ホームランを打てる子がいます。しかし打つのが当たり前な子に、努力は必要ありません。このように考えれば、生きる自信を得るには、挫折と努力が必要なのだと思います。ただし自信を獲得する為に野球をするのではなく、面白そうだからやってみよう、という気持ちが何よりも大切だと思います。その結果として自信も得られるのです。
お母さんお父さん、ボールとバット(百均で十分)をそろえて、野球をやってみませんか。そして親子で打つ快感を味わってみて下さい!