5月の連休明けから新型コロナが、インフルエンザと同じ扱いになります。が、昨年12月ついにコロナに感染しました。予防もしていたし、数々の危機も乗り越えてきたので、自分は感染しないと信じていましたが、砂上の楼閣となりました。ワクチンは4回接種していたので、症状は三日ほど微熱が続いただけでした。が、重症予防薬「ラゲブリオ」を飲んだところ、身体中に発疹が出て、今度はその治療薬をせっせと飲んでいました。その上後遺症として就寝中の咳に悩まされるなど、こんな経験初めてだったので、改めて人生を見直しました。5類になると言っても、感染には気を付けなければなりませんね。
先月認知症の新薬が、アメリカで認可されました。ただしこの薬は症状の進行を遅らせる為のもので、認知症を治すものではありません。とは言え、今後の治療薬の開発が期待される一歩となりそうです。現在米社と共同開発をしたエーザイが、日本での認可を申請中とのことです。今や人生100年と言われますが、長寿と認知症は常に背中合わせでした。
我々人間に最も近い動物の一つに、チンパンジーがいます。両者の遺伝情報を見ると、およそ99%が同じです。しかしそのわずかの差が大きな違いを生み出しました。動物園に行けば一方が見る立場、もう一方は見られる立場なのです。ただ人間からすると、チンパンジーはいろいろと考えさせられる存在でもあります。
チンパンジーの平均寿命は、人間の約半分の40年程度と言われています。人と同じように、老化が進めば様々な障害も出てきます。しかしながら、そんな状況との向き合い方が、我々と全く違っているのです(ただチンパンジーから聞いたわけではないので、あくまでも観察結果ですが)。一言で言えば、人間の様にくよくよ生きていないのです。あるチンパンジーは、目も十分見えていない、歩行もままならぬ、物事の理解も定かでない等、人間なら一人で生きていくのは相当困難な状態です。ところが昨日も今日もそして明日も、何事にも動じることなく、平然と生きているのです。
もしこれが人間ならどうでしょう。おそらく毎日くよくよ悩む、あるいは殻に閉じこもったりするのではないでしょうか(無論そうではない人もいますが)。ただしそれではだめだ、という話ではありません。人間ならそれも仕方ないとも言えるからです。つまりここから分かるのが、チンパンジーと人間では、生き方が違うという事です。もっと別の表現をするなら、チンパンジーは瞬間に生き、人間は永遠を生きているのです。瞬間に生きるとは、その一瞬一瞬を生きているという事です。この一瞬の連続が、昨日を悔やまず、明日を恐れない、チンパンジーの泰然自若とした生き方になるのだと思います。しかし人間は違います。人間は永遠を生きているので、過去を悔やみ未来におののくのです。だから必然的にくよくよした生き方になるのです。良くも悪くも私たち人類は、そのように進化してきました。その結果が両者の違いを生み、人類に繫栄と困苦をもたらしたのです。さて私たちは今後、どんな未来へ向け進化していくのでしょうか。