早いもので、今年はもう梅雨入りとなりました。雨が続く日々の中、体調にはくれぐれもお気をつけ下さい。
5月の連休、国際エンゼル協会主催の昭和歌謡祭に行ってきました。国際エンゼル協会とは、バングラディッシュを中心に学校を建設し、その運営と現地の女性の自立を支えるボランティア団体です。すでに40年以上、兵庫県で活動していますが、初めて大阪でチャリティーコンサートを開きました。当日は大雨の中、120名を超す方が来られて大盛況でした。正直、歌謡曲は特に思い入れはない(洋楽が好き)のですが、協会に賛同し参加しました。とは言え、歌は聴いたことのあるなじみの曲ばかりで、思わず当時に思いを巡らせました。入場者はさすがに全員どっぷり昭和世代(中に大正世代もおられました)でしたが、手拍子、拍手、スタンディングなど大いに盛り上がっていました。ただ思わず熱い皆さんの、明日の体調が心配になりました。さて大丈夫だったのでしょうか。
音楽嫌いという人は少ないでしょう。私も好きですが、音符は異国の言葉、歌えば調子はずれ、楽器は物にならず(ギター、ピアノ、三味線、サックス等、様々な楽器に挑戦しました)悔しいですが、音楽的才能はありません。だから音楽に長けた人が、本当に羨ましいです。最近の若い人たちは、歌やダンスも上手で(当時も上手な人はいましたが、割合が違います)、つくづく時代を感じます(それはそれで、より辛い人はいるでしょうが…)。
よく言われますが、音楽は時代と繋がっています。その曲を聴けば、当時が蘇ってきます。音楽は記憶装置でもあるのです。特に10代の頃に聴いた曲は、最も記憶に残ると言われています(個人的にはカーペンターズ、サイモンとガーファンクル、ビートルズ、クイーン、アバ、他にもアリスなどの日本のフォークソング等々)。そもそも人間にとっての音楽(定義にもよりますが)は、言葉よりも先に生まれたそうです。狼の遠吠えのように一頭が吠えると、他の狼が合わせて吠える、なんてことが音楽の起源なのかもしれません。元々音楽は、何か他と繋がりたいという思いから始まったのでしょうか。いずれにせよ音楽は、人間の歩と共に発展してきたのは間違いありません。
物心がつく頃には、すっかり忘れているでしょうが、私たち全員が知っている音楽?があります。それは胎内で聞いていた母体音です。ある番組で、胎内で流れる音を聴いたことがあります。正直な所ザーザーザーザーというような、雑音にしか聞こえませんでした。ところがこの音を、ぐずっている赤ちゃんに聞かせると、すぐに落ち着いたのです。まさに赤ちゃんにとっての、子守歌なのかもしれません。こうして考えるとお母さんの抱っこは、子どもにとって一種の胎内回帰であり、実際に聞こえているかは分かりませんが、母体音に触れられる良い機会でもあるでしょう。
もしも子育てに悩んでいるのなら(ただし幼児が対象です)、我が子を抱っこしながら、親の気持ちを正直に伝えてみるのはどうでしょう。子どもだから大人が真面目に話しても無駄だとは考えず、真摯に子どもと向き合ってみるのです。親の気持ちを全て理解してくれるかは分かりませんが、少なくとも親が自分に何かを伝えたいという真剣さ(ただしその悩みが妥当かどうかを、検証する事は大切です)は、しっかり感じられるように思います。まずは結果よりも行動が大切ではないでしょうか。だっこされる子どもの背中で流れているのが、お母さんの胎内音なのです。