秋も深まり、朝夕冷え込むようになってきました。しかし、今年の関西の秋は熱い秋となりました。野球に興味のない人でも、耳にしているでしょう。言うまでもない、阪神とオリックスの優勝と日本シリーズです。特に阪神タイガースの18年ぶりの優勝は、岡田監督の「アレ」の名の下、多くの人を熱狂させました。アンダー18世代にとっては、人生で初めて経験するタイガースの優勝です。いつもの阪神ならおそらく次の「アレ」は、18歳が36歳の時という事です。私にいたっては、次の「アレ」を見られるかは自信がありません。そういう意味でも今年の阪神ファンの喜びは、ひとしおだったに違いありません。
先日こんな記事を読みました。阪神の応援をすると、鬱が治るというのです。あの甲子園の応援を経験された方なら、その凄さは分かっていただけるでしょう。ビジターの球場でも、どこのホームなのか分からない時があります。そんな中で鬱の人が本当に甲子園で応援しても、大丈夫なのか心配になります。あの熱狂の渦が、鬱を飲み込んでしまうという事でしょうか。ちなみに私も阪神ファンですが、うちの奥さんにはかないません。シーズン中はタイガースの応援一筋です。ここでちょっと自慢話です。ただ一度日本一になった1985年、あの伝説のバース・掛布・岡田のバックスクリーン3連発を、私は甲子園で見ました!それもバックネット席で(誘っていただいたヤスダさんありがとうございました)。閑話休題
さて話は戻ります。学術的に認められているかどうかは不明ですが、おそらく阪神を応援して鬱が治るというのは、何かに熱中する事が症状の改善に良い影響を及ぼすという事なのでしょうか。はたまた絶叫するのが良いという事なのでしょうか。確かに誰でも何か夢中に取り組んでいる時には、幸福感や満足感を得られます。これは子どもの遊びなどにも通じます。ただ夢中の度合いが行き過ぎ、周りが見えなくなると、宗教やギャンブルなどにのめり込んでしまうのでしょうが。
ところで18年ぶりの「アレ」でふと思ったのは、18年という時間は、子育ての区切りとほぼ同じ長さだという事です。子どもを育てる中で親の影響力が大きい期間は、おそらく高校生くらいまででしょう。その18年間を長いと感じるか、短いと感じるかは人それぞれです(振り返ればアッと言う間だと思います)が、人生の方向性が形作られる時期には違いありません。阪神ファンの親なら、前回優勝時に我が子が生まれ、小学校入学時は何位で、中学の頃は誰々が活躍し、高校の時はどん底だったみたいに、子育てと阪神が一体化しているかもしれません。確かにこんな子育てなら鬱にはなりにくいでしょう。ただ贔屓チームによって、子育てが左右されると子どもが大変、と思う方もいるかもしれません。しかしそもそも阪神ファンは、チームがだめで元々と考えています(歴史を見て下さい)。負けるのが日常、反対に好調だと不安に駆られます。そういう意味で子育てはブレません。ところが今年は違います。きっと親は有頂天になっているでしょう。喜びのあまり大判振る舞いで、子どもたちには嬉しい事だらけかもしれません。
しかしながら一つ不安があります。今後しばらく阪神は黄金期を迎えるかもしれないと言うのです。心配です。本当に毎年優勝なんて事になったら、日常生活は激変してしまいます。おちおち子育ても出来ません。とは言っても阪神タイガース、そんな心配は杞憂に終わるでしょうが。 しかしまさかという事も・・・
現時点で勝敗が不明の日本シリーズは、4勝3敗と競り合った上で、阪神がオリックスに勝つと良いですね。バファローズは去年日本一になっていますし。いずれにせよ関西対決なので、一方的ではない濃い内容の試合を期待します。