令和8年5月
新年度が始まり一月が経ちました。子どもたちはいかがですか。思ったより順調かと思えば、悪戦苦闘中のご家庭もあるでしょう。昭和に育った私から見れば、AI時代の子育ては本当に大変だと思います。とは言え令和の今から見れば、昭和の子育てに驚く事も多いはずです。ただ一口に昭和と言っても、戦前と戦後では大きく違います。戦後は欧米の文化、教育、思想等がドッと入ってきました。しかし欧米社会は日本と異なり、キリスト教を土台とします。そのため一見同じように見えることでも、その意味が全く違ってくるのです。中でも「プライバシー」という考え方は、日本の人間関係社会に大きな影響を与えました。
一方時代を越えて変わらないものも有ります。その一つが子どもの親に対する想いです。子どもは常に親の愛情を求めています。一方親にしても子を思う気持ちは、今も昔も変わらないのかもしれません。ところが子育てが、時代に大きく左右されるのです。
子どもは親に依存しなければ生きていけません。だから普通なら親の期待に沿うよう行動します。しかし親子関係に不安を感じている子どもは、親の気持ちを知りたい、親の心を自分に向けたい、そんな切実な想いからあえて親を困らす行動を起こしてしまうのです。そこで考えたいのが、子育てにおける親のコミュニケーション力です。子どもの問題行動の大きな原因として、親の想いが子に伝わっていない事が考えられます。親子関係を形作る責任は親にあります。養育される側の子どもが、親にあれこれしてほしいとは言えません。だから親はそれを理解した上で、子に伝わるよう配慮すべきなのです。それが親のコミュニケーション力です。我が子と言えども、その性格や物事の捉え方は親とは違います。しかしどこかで無意識に同じだと考えているから、親子のすれ違いが大きくなるのではないでしょうか。想いがあっても伝わらなければ、何もないのと同じです。伝わらないから子どもは不安を募らせます。さらに親は自分が体験してきた子育てを、知らず知らずに繰り返しています。それが親には適切だったとしても、その全てが我が子に相応しいと言う訳ではありません。時代も違うし十人十色だからです。そこで子育てを今一度見直してみるのです。
思い切って子どもの問題行動を受け入れてみませんか。正すのではなく認めるのです。そんな事すれば問題行動が、増々ひどくなると考えるかもしれません。しかし同じ事の繰り返しなら、同じ結果を生むだけでしょう。本当に解決を望むなら、意識的に今までとは違う子育てをするのも一つの方法だと思います。子の親への想いは今も昔も変わりません。手始めに、親が容認できそうな行動を見守るのです。それが新たな親の気持の伝え方です。だからと言って直ちに問題解決に繋がるわけではありません。忍耐も必要です。しかし子どもには、いつもなら怒られることが怒られない、そんな体験が心に響くのだと思います。
問題行動は、言うなら子の親に対する期待の裏返しなのです。それがなくなった時、親の想いが子どもに通じたのか、それとも親への期待を諦めたのか、どちらかなのだと思います。忘れないでほしい事があります。それは子どもの問題行動の裏には、親へのあふれる想いがあるのです。 早川友教
