『 ビフォーアフター 』

 このところ気温はぐんぐん上がり、連日猛暑日が続いています。町中を見渡してもマスク姿が、大分減ったように感じます。これだけ暑ければ、コロナよりも熱中症が心配です。元々マスクはしたくないほうなので5類に移行後は、マスクをする事も減っていました。しかし先月下旬、流行りのヘルパンギーナに罹ってしまいました。その為「マスクをすべきか、すべきでないか、それが問題だ」の今日この頃です。

 さて皆さんテレビはよく見ますか。子育て中は、なかなか落ち着いて見られないかもしれません。そもそも昨今、テレビを見る人が減っていると言われます。かく言う私もテレビを見る機会、正確に言えばテレビ番組を見る機会は減りました。その代わり、ネットの動画をテレビ・スマホ・タブレット等で見ています。今や無数の動画が、ネット上を飛び交っています。あれやこれやと動画は見ますが、何でもありではありません。やはり好みは決まってきます。以前テレビで「ビフォーアフター」という、家を再生する番組がありました。これが好きでよく見ていました。だから今でもこの系統が好きです。

 現在の私的流行は、ユーチューブで配信されている、古堅純子の「週末ビフォーアフター」という動画です(ちなみにうちの奥さんもファンです)。内容はどうしようもなく片付けられない家(凄いです!よくこんなになるものだと感心します。)に出向き、暴言を吐きながら(ただし愛情をこめて)、チームで徹底的にきれいにするというものです。このように家、庭、家具、各種道具類、車などの再生や改造、ファッションやヘアカットの変身・・・等々、性別、国、分野を問わず「ビフォーアフター」物は、何でも見ます。奥さんにはあきれられています。「それだけ好きなら、自分の家でもやってみたら」といつも言われますが、「自分では出来ないから見てるんや」と答えています。

 「あーその動画なら知ってる」という方もいるでしょう。実際見ている方は少なくないと思います(おそらく保護者の皆さんよりは、上の世代のような気はしますが)。

 何故この種の番組が好きなのかを、自分なりに考えてみました。まず第一に何かがきれいになる、ということがあるでしょう。しかしそれ以上に、現状を改め新たな世界への扉を開くという事が、もっと大きな理由のような気がします。そしてその根底には、別の人生への憧憬があるのかもしれません。

 人間誰しも今の生活が幸せであっても、あの時あの道を選んでいたら又違う人生があったかもしれない、そんな想像をしたことがない人はいないのではないでしょうか。別に現状に不満があるから、そんなことを考えるのではありません。人間は本質的に、悔やむ生き物だからです。だからこそ、芸術や文学などが生まれたのだと思います。例えば、SFによる多次元宇宙(違う世界の自分)や、タイムマシンの話などはその典型です。

 しかしいくら悔やんだところで、過去は取り戻せません。現実は、今置かれた人生を歩くしか出来ないのです。過去にさかのぼり、違う道をたどるなんて想像の世界です。もし本当に今とは違う世界を目指したいのなら、まず考えるべきは今をどう生きるかという事でしょう。今があるから過去があり、未来があるのです。だから今を大切にしたいと思います。「ビフォーアフター」を見てこんなことを、つれづれに考えてみました。

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