明けましておめでとうございます

 明けましておめでとうございます。皆さんにとってこの一年が、心地よく穏やかに過ごせる年でありますようお祈り申し上げます。 

 昨今の世の中を見渡すとネット世界は、今や地球のありとあらゆる所へ、くまなく行き渡ろうとしています。これに拍車をかけているのがAI(人工知能)の進化です。今やAIの存在しない社会は、考えられなくなってきました。日に日にあらゆるものが便利になる一方、一体私たちはどんな未来へ向かっているのでしょうか。そんなことを考えるたび、年頭のごあいさつとは裏腹に、心穏やかならざるアナログ人間の辰年年始です。 

 さてAIが拡大する一方、歯止めをかけられないのが少子化です。国も様々な手をうっているのですが、成果ははかばかしくありません。その大きな原因として、結婚や子どもを望まない人の増加があります。政府の統計によると日本の全世帯数のうち子育て世帯は、なんと1割台なのです。この数字は想像していませんでした。それまでは単純に、5割くらいはあるだろうと思っていたからです。 

 もし子育てにかかる費用をそれ以外に使えば、現状よりはゆとりある生活が可能かもしれません。それに子育てには、頭の痛い問題が数々付いてまわります。反抗期であったり、けんかやいじめ、勉強に進路…等々、問題は山積みです。こんな事を考えれば、少子化の進行もいたしかたないかもしれません。しかしながら、全く違う考えもあるのです。 

 「苦あれば楽あり」という諺があります。大変な時があっても良い時もある、というような意味でしょう。例えるならば、子育てに感じる不安や煩わしさの裏には、人生の喜びや感動が隠されているのです。子育ては一筋縄ではいきません。ましてや親の思い通りにはなりません。「もっー!」とか「なぜ?!」と思う事もしばしばです。しかしながら我が子の何気ない一言に涙したり、思いもよらない行動に励まされたりする、そんな喜びや感動を噛みしめられるのも又子育てなのです。毎日子どもと関わっていて思います。大人が子どもに与えるものより、子どもからもらうものの方が大きいのではないかと。 

 最近子育てと言うと、その大変さばかりが強調されているように感じます。もちろん時代の流れや価値観の変化等もあり、以前より大変さは増しているのかもしれません。しかしだからこそ、我が子の成長を喜び慈しむ時としての子育てに、改めて気付いてほしいと思います(ふり返ればアッと言う間のひと時です)。一昔前なら、子育てに意味や損得を求める事はありませんでした。するのが当たり前のことだったからです。しかし今は、それを考えなければならない時代に来ているように思います。 

 我が子がどんなに愛おしくても、それと反する想いの時は誰にもあります。それを子どもの事を、本当に考えていないからと言うのは幻想に過ぎません。そんな親はどこにもいません。時々によって想いは揺れるのです。しかしながら子育てを、大変ととるか喜びととるか、最後は親の想い次第ではないでしょうか。 

 それでは、どうぞ本年も宜しくお願いいたします。 

   

 本年1月1日の能登半島地震で、被災された方たちの一日も早い復興と、犠牲になられた方のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。 合掌 

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